化粧品市場2018年を振り返る

2017年より昨年の方が、確実に化粧品の売上げは伸びた。
一番の利用は通販、続いてドラッグストア、百貨店、専門店の順である。
通販の販売はECを含め、細かく分かれている。主として自社通販かセレクトショップなのかで分かれているが、売上高のほとんどは、DHC、ファンケルドクターシーラボなどの無店舗販売からスタートした大手ブランドがリードしている。

通販が売れるとうっかり自社だけで通販サイトを作ったからといって簡単には売れない。広告を沢山出してSEO対策を余念なくできる大手企業には及ばない。

中小規模の化粧品会社であれば、セレクト型のサイトに卸すことはお勧めの一つである。
Qoo10、ケンコーコムなどの大型サイトは非常に便利に活用できる。

 

よくブランドイメージが…とかストーリーを正確に伝えられないとか…拘り、懸念する人が多いが、その気持ちはよく分かる。
しかし、消費者にとってブランドとは何か?をきちんと身を持って分かる中小の化粧品会社は少ないと感じる。
時代は、平成が終わろうとしている時。化粧品を一番買う世代は、50代、続いて20代そして残りの半分を10代後半以降のその他の世代で構成している。
50代と20代に気に入られなければ市場規模はぐっと少なくなるのである。

この2世代にとってブランドとは、資生堂、コーセー、アルビオン、SKⅡ、花王カネボウ、シャネル、ランコムディオールなのである。ファッションでいえば、ルイヴィトン、グッチ、シャネルでありこれが王道なのである。
これらの王道の上を行く、時代をリードする化粧品を大企業として作らなければ一般的に「売れる」ようにはならないのである。
そして、DHC、ファンケル…と沢山の数十年も継続する人気の会社が列を成している。

あなたにとって「売れる」とはこういう会社ほどではないはずだ。
利益が出て、社員がイキイキと働いて…など基本的な余裕がある。
そのようなイメージなのではないか?
そうであれば、やはり「ブランドイメージが」とか、「ストーリーが」と考えるのはほどほどにしたほうが良いと思う。
化粧品は、例えるなら老舗のお酒や醤油のような方法で売れるわけではない。
工場生産品であり大量に作って沢山の人が使ってこそ商売になるのである。
だから、その辺りの腹を早く括ることが大切だ。


中小企業が化粧品を販売するのは利益のためというより、自分が心から良いと思って売るのである。
人々が綺麗になり、喜び、その様子に共感していく…
1度だけでなくリピートして使うようになる。
こういった繰り返しが安定して伸びていくのを続けていくということなのだ。
社会貢献を考えて売らないと息がきれるであろう。

だから、決して化粧品(ヘルスケア商品などを含む)だけの会社を立ち上げてはいけない。他で利益が出る商材を持ちながらでないと会社は運営し続けられない。

最初から上場を考えて投資を募る方法はあるが、化粧品事業だけで投資してくれる人は非常に少ない。無いに等しいと思う。
あるとすれば、化粧品はファッションである。おしゃれに発信すれば、良い宣伝効果になる。
最初のスタートは化粧品の販売だけ始めて、違う事業に上手にスイッチしていく方法をとるのだ。
この事業計画書が上手に書ければ、場合によっては投資がでる可能性がある。
しかし、それは化粧品会社ではなくなるという話で、結局違う事業をする必要がある。


結論が遅くなったが、要するにそう短期間で化粧品会社としての大きな利益は出ない。

「良い化粧品を売り続けるのは神様のような仕事」だということだ。