時短ケア化粧品の需要喚起➁

時短ケア部門で馴染みのアイテムのBB・CCクリームでは新規剤型の保湿感のあるクッションタイプが年間を通して好調。新年度も順調に売れている。
特に30代以上の女性にはコンパクトが超薄型や小型タイプ、容器デザイン、プリントのイラストや柄のファッション性の高いデザインの商品の購買が増加した。
発売当初は、つめ替えの中身の購入が多かった。しかし、次第にコンパクト容器を洋服のように着替える感覚なのか、携帯ミラーを持つように複数のコンパクト外容器を購入する女性が増えている。
さらに、20代は仕上がりをサラっとさっぱり仕上げたいと考えることから、同じようなBB・CCのコンパクト状で超微粒子パウダーをプレストした商品の人気が上昇中だ。
粉のプレストファンデーションやリキッドやクリームファンデーションのテカリや崩れを抑えるための仕上げパウダーではなく、透明感のある仕上がりで肌色のトーンを統一しカバーされる機能、すなわち、BB・CCに従来備わった機能がある微粒子パウダーである。

これらは、化粧品店において大ヒットの売れ行き商品のひとつであるし、4,000円前後から売っている。そして、肌を上質な見た目に仕上げることができる。それでも、私自身は、自社が卸売りしているこれらのコンパクトタイプは全く使わない。
なぜなら、衛生的に使うことが大変だからだ。

日本女性は、非常に優れた安全性の高い防腐剤が入った化粧品に慣れている。そのためか、衛生に対するシリアス度が低い人を多いと感じることがある。

例えば、ジャー容器に入ったクリームやジェルに指を入れてすくって顔につける。
その指は、お風呂上りだから綺麗だと思っているのだろうか?
付帯していたプラスティックのスパティラでとってからつけている人などもいるだろうが、そのスパティラは清浄なのだろうか?
洗っているのか?
いつ洗ったのか?
どのような方法で洗ったのか?
そして、どのように保管しているのか?
菌やウィルスというのは、どこから入ってどう繁殖するのか知っている人は多いであろう。
自分が神経質すぎるとは思わない。それぞれの価値観の違いである。

では、クッションタイプの化粧品のスポンジについてはどうか?
いつ洗ったのか?
顔に一度つけてから同じところに収納したのか?
加えて、同じスポンジを一日中使っているのか?
日本人はこれが気にならない人が多い。
実にワイルドなのである。

化粧品を製造する会社は、このようなことを考えて最低限の安全を保てるようには作っている。
日本の会社の処方は実に優秀なのだ。
しかし、オーガニックや防腐剤を避けるコンセプトの製品はそれで大丈夫であろうか?
食べ物には気を遣っているが化粧品には…
小学生で習った理科の実験の片づけのことや、その際にそれぞれ異なった化学物を扱うときに洗浄や混ることによる化学反応そして、衛生に気を遣ったことなどすっかり忘れている人が多い。

時短ケア化粧品の売れ筋の話をしていくはずが、大きく脱線してしまった。
日本以外の国ではこれらのことを、それぞれ自ら気が付いて清潔に使う努力をしている女性が増えている。
日本は経済の先進国であり、化粧室などは世界一であるが、何故か化粧品リテラシー(造語で申しわけない)が低いように感じることの方が多い。

このことは、安心安全の化粧品を作り続けてきた日本における化粧品を商う人の課題になるだろう。
場合によってはここが商いになるだろうと考えている。